基本文法

変数と代入

データに名前(ラベル)をつけて、再利用できるようにしよう

変数=データへの「名札」

Pythonにおける変数は、「箱」というより「名札(ラベル)」です。メモリ上のどこかに存在するデータに対して、わかりやすい名前を付けて参照できるようにする仕組みです。この名札を使うことで、複雑な計算結果や入力されたデータを、後から何度でも取り出して使うことができます。

1. 変数の作り方:代入演算子

Pythonでは、型を宣言する必要がありません。いきなり名前を書いて、`=` で値を結びつけるだけです。

Python
player_name = "勇者"
hp = 100
is_alive = True

print(f"{player_name}の体力は{hp}です")

ここで使われている `=` は「等しい」ではなく、「右の値を左の名前に結びつける」という意味です。

2. スネークケース (snake_case)

Pythonには「PEP 8」という公式スタイルガイドがあり、変数名は「スネークケース」で書くのが標準です。

✅ 正しい書き方

  • `user_name` (全て小文字、単語は `_` で区切る)
  • `total_score`
  • `max_retry_count`

❌ 避けるべき書き方

  • `userName` → これはJavaScript流(キャメルケース)
  • `UserName` → これはクラス名の書き方(パスカルケース)
  • `a`, `x`, `data` → 意味が不明瞭な名前

3. 定数の慣習

Pythonには「書き換え不可能な定数」という機能はありませんが、慣習として「全て大文字」で書くことで、「これは変更しないでね」という意思表示をします。

TAX_RATE = 1.1
MAX_USERS = 100
API_KEY = "abc123"

4. 動的型付けと型ヒント

Pythonは「動的型付け言語」です。変数に何が入っているかは、実行時に自動判定されます。これは便利ですが、大規模開発では「この変数には何が入るの?」と混乱する原因にもなります。

そこで、Python 3.5以降では「型ヒント」が導入されました。

Python (型ヒント)
name: str = "Tanaka"
age: int = 25
scores: list[int] = [80, 90, 100]

# 型ヒントに反する代入も「実行はできる」が、エディタが警告してくれる
age = "二十五歳"  # ⚠️ 警告が出る

型ヒントを書くことで、コードの意図が明確になり、バグを未然に防ぐことができます。

5. スコープ(有効範囲)

変数には「どこから見えるか」という範囲があります。

  • ローカル変数: 関数の中で定義した変数。その関数の外からは見えません。
  • グローバル変数: 関数の外で定義した変数。どこからでも参照できます(ただし、関数内で書き換えるには `global` キーワードが必要)。

まとめ

変数名は「コードを読む人への最初のメッセージ」です。`snake_case` を守り、意味のある名前を付けることで、あなたのコードは一気に読みやすくなります。